ムスリムは何を信じるのか
五行がムスリムの行いを表すのに対し、六信はムスリムが何を信じるかを表します。主流のスンナ派イスラーム(イスラム教)では、この六つの信仰箇条が合わさってイーマーン(内面の信仰)を形づくります。678これらは、天使ジブリール(ガブリエル)が預言者 ﷺ に信仰について尋ねた伝承の中で挙げられています。
"[Faith is] that you believe in Allah, His angels, His Books, His Messengers, the Last Day, and that you believe in divine decree (qadar), both its good and its evil."
— Sahih Muslim 8(英語)1
クルアーン(コーラン)は、これらの信仰箇条の大半を一つの節にまとめて挙げています。
そしてアッラーと諸天使、諸啓典、諸使徒、最後の日を否定する者は誰でも、実に(真理の道から)遥か遠く迷い去っているのだ。
— クルアーン 4:136(サイード佐藤訳)3
1. 神(アッラー)への信仰
第一にして最大の信仰箇条は、唯一神への信仰です。並ぶ者なく、永遠であり、いかなる同位者も持たないお方です。信仰者たちは「アッラーを信仰する」者として描かれています。
(彼らは)皆、アッラーとその天使たち、諸啓典と使徒たちを信仰する。
— クルアーン 2:285(サイード佐藤訳)2
2. 天使たちへの信仰
ムスリムは、アッラーの命令を遂行する被造物としての天使たちを信じます。その中には、啓示をもたらしたジブリールがいます。天使たちへの信仰は、上に挙げた同じ節の中で名指しされています。2
3. 啓示された諸啓典への信仰
アッラーは人類を導くために啓典を下されました。その中には、ムーサー(モーセ)に授けられたトーラーと、イーサー(イエス)に授けられた福音書があり、それらはクルアーンによって完成されました。
また、かれはトーラーと福音もお下しになり……
— クルアーン 3:3(サイード佐藤訳)4
4. 預言者と使徒たちへの信仰
ムスリムは、アッラーがあらゆる民に預言者と使徒たちを遣わされたと信じています。アーダム(アダム)に始まり、最後の使徒ムハンマド ﷺ に至る系譜です。「諸使徒」への信仰は、信仰者の信仰を構成する一部です。3
5. 審判の日への信仰
ムスリムは審判の日を信じます。その日、すべての人が復活させられ、自らの行いについて責任を問われます。審判の日を否定することは、先に挙げた節の中で信仰からの逸脱として名指しされています。3
6. カダル(アッラーの定め)への信仰
第六の信仰箇条は、アッラーの定めへの信仰です。すなわち、起こるすべてのことをアッラーが知り、支配しておられ、その御意志の外で起こることは何一つないということです。
本当にわれらは全てのものを、定と共に創造した。
— クルアーン 54:49(サイード佐藤訳)5
要するに
六信、すなわちアッラー、その天使たち、その諸啓典、その使徒たち、審判の日、そしてアッラーの定めへの信仰は、スンナ派の伝統におけるイスラームの信仰の核心です。五行が信仰者の実践の中身を定めるのと同じように、六信は信仰者の心の中身を定めるものです。